おはようございます、長嶺圭一郎です。

もうすっかり年末ですね。仕事納めの方も多いのではないでしょうか。街中もなんだかソワソワしていて、一年が終わる独特の空気感がありますよね。

この時期になると増えるのが「忘年会」。

僕も懇親会などで人と飲むのは好きなんですが、実は昔からこの「忘年」という言葉には少しだけ思うところがあるんです。

「今年あった嫌なことは、酒を飲んで全部忘れようぜ!」

「パーッと騒いで、失敗なんてなかったことにしよう!」

その気持ち、痛いほど分かります。一年間走り抜けて溜まったストレスを、アルコールと共に発散したい夜もあるでしょう。でも、その「嫌な経験」や「失敗した記憶」を、ただお酒で流して消去してしまうのは、正直あまりにも「もったいない」と思うんです。

なぜなら、その失敗こそが、来年のあなたを飛躍させるための最も貴重な「資源」だからです。

今日は、ただお酒を飲んで終わる「忘年会」ではなく、来年の自分を確実にレベルアップさせるための「忘年振り返り」についてお話しします。

今年の失敗を「ただの嫌な思い出」として闇に葬るか、それとも「成功への布石」として輝かせるか。その分かれ道がここにあります。

「メンタルが強い」の正体は、ただの「経験値」

よく周りの方から「長嶺さんはメンタルが強いですね」「動じないですね」と言っていただけることがあります。

でも、僕自身は自分のことをかなり「ビビリ」だと思っていますし、元々は電話一本かけるのにも躊躇するような重度の人見知りです。

それなのに、なぜトラブルが起きても冷静に対処できるのか。

答えはシンプルで、「それ以上の修羅場を既に経験しているから」。これに尽きます。メンタルが強いのではなく、単に「慣れている」だけなんです。

ドロドロの遺産相続、仲裁したことありますか?

例えば、僕の住宅営業時代のエピソードなんですが……みなさん、「土地の相続でドロドロになっている家族の仲裁」に入ったこと、ありますか?

あれは……なかなかに凄まじいですよ(笑)。

普段会ったこともない親戚が急に現れて権利を主張したり、わずか数センチの境界線で怒号が飛び交ったり。

そういった「人間の感情が剥き出しになる場面」や「論理だけでは解決困難なトラブル」を一度でも経験してしまうと、大抵のことは「まあ、あの時のあの地獄に比べれば、命まで取られるわけじゃないし」と、不思議と冷静に思えるようになるんです。

つまり、メンタルの強さとは「生まれ持った資質」や「精神統一」で得られるものではなく、「過去にどれだけ失敗やトラブルを乗り越え、それを糧にしてきたか」という経験の総量なんです。

だからこそ、今年あった失敗やトラブルを「なかったこと」にして忘れてしまうのは、自らこの「経験値」をドブに捨てているようなもの。非常にもったいないことなんですよね。

「忘年振り返り」実践マニュアル

では、具体的にどうやって振り返ればいいのか。ただ嫌なことを思い出すだけでは落ち込んで終わってしまいます。

そこで僕がお勧めしているのは、「同じ失敗を繰り返さないための1人反省会」です。

1. 時間という「特効薬」を使ってから振り返る

失敗した直後というのは、誰でも感情的になっています。

「自分は悪くない、あいつのせいだ」「なんでこんなことになったんだ」「運が悪かった」

そう思いたくなるのが人間ですし、自己防衛本能として当然の反応です。

僕も昔、失敗した直後に当時の上司(足音が聞こえるだけで胃が痛くなるような伝説の鬼上司でした……)に「なんでだ!どうしてだ!お前の考えを聞かせろ!」と詰められ、強制的に反省させられる地獄を味わいました。でも、そんな極限状態でまともな振り返りなんてできません。「すみませんでした」と繰り返すのが精一杯です(笑)。あれは精神衛生上、最悪です。

でも、年末というこのタイミングならどうでしょうか?

失敗から時間が経っているおかげで、当時の「恥ずかしい」「悔しい」「怖い」といった感情的な痛みは薄れています。

そのおかげで、まるで他人の出来事を見るかのように、「今思えば、あそこでああしておけば回避できたな」「あの時の準備不足が原因だったな」と冷静に分析できるはずです。

時間が経ってから振り返ることで、初めて「失敗(感情)」を「データ(事実)」として扱えるようになります。これこそが、年末に振り返る最大のメリットです。

2. 「同じ失敗」だけはしない(ある上司の教え)

僕が当時の直属の上司から言われ、今でも大切にしている言葉があります。

「1度目の失敗は許す。ただ、2度と同じ失敗をするなよ」

これは本当にビジネスの本質だと思います。

初めての挑戦で失敗するのは当たり前です。むしろ、挑戦した証拠であり、貴重な「データ収集」です。だから1度目は胸を張っていい。

でも、そこから何も学ばずに、対策も立てずに同じ失敗を繰り返すのは、ただの「怠慢」になってしまいます。

「このパターンの時は、ここに落とし穴があるぞ」

「このタイプの案件は、早めに確認しておかないと後で揉めるぞ」

そうやって先読みできるようになることが、プロとしての成長ですよね。1度目の失敗を「投資」に変えるか、「浪費」にするかは、この振り返りにかかっています。

たった10分でOK!紙に書き出してみよう

「振り返り」といっても、1時間も2時間もかける必要はありません。そんな時間、年末の忙しい時期には取れませんよね。

10分、15分で十分です。

やり方は簡単。

今年のスケジュール帳やカレンダーを見返して、「失敗したこと」「ヒヤッとしたこと」「なんとなくモヤモヤしたこと」を紙に書き出してみてください。

そして、それぞれの項目について、以下の3点をメモ書き程度でいいので添えてみてください。

  1. 事実: 何が起きたのか?(感情抜きで)
  2. 原因: どのタイミングで気づけば防げたのか?
  3. 対策: 次はどうすればいいか?(具体的な行動で)

頭の中でグルグル考えているだけでは、悩みは「感情」のままです。「ああ、嫌だったな」で終わってしまいます。

でも、書くことによってそれは「情報」に変わり、客観的なデータとして扱えるようになります。

「悩み」を「タスク」に変換する作業、と言ってもいいかもしれません。だからこそ、頭の中だけで終わらせず、必ず「紙に書き出す」ことをお勧めします。

もしAIを使っている方なら、ChatGPTなどにこんな風に聞いてみるのも面白いですよ。

「今年、私があなたに相談した悩みやトラブルをまとめて、私の思考の癖や、来年に向けての改善点を客観的にアドバイスしてくれませんか?」

AIは感情を持たないので、あなたの「1人反省会」の非常に優秀かつ冷静な壁打ち相手になってくれます。

今を頑張れ、過去と未来はこれからだ

最後に、僕の座右の銘を贈ります。

「今を頑張れ。過去と未来はこれからだ」

これは僕が新卒で入った会社の入社式で聞いた言葉です(元々は、ある悲運の事故で亡くなられた創業メンバーの方の言葉だと聞いています)。

未来を変えるために「今」頑張るのは当然です。

でも、「過去」も「今」の頑張り次第で変えられるんです。

「え、タイムマシンもないのに過去が変わるの?」と思うかもしれません。もちろん、起きた事実そのものは変わりません。

でも、その過去が持つ「意味」は変えられます。

もしあなたが今、過去の失敗をしっかりと振り返り、それを糧に来年の大きな成功を掴み取ったとしたら。

その時、過去の「辛かった失敗」や「穴があったら入りたかった恥ずかしいミス」は、「あの失敗があったからこそ、今の成功がある」という「美談」に変わります。オセロの石が黒から白へ一気にひっくり返るように、過去の意味が書き換わるんです。

今年の失敗を、ただの「嫌な記憶」で終わらせるか、未来の「美談」への伏線にするか。

それは、今のあなたが「どう振り返るか」にかかっています。

ぜひ、美味しいお酒を飲む前に、少しだけ時間を取って「忘年振り返り」をやってみてください。

それをやるだけで、来年のあなたは間違いなく、今年よりも上向きになっていますよ。

それでは、良いお年を!

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