こんにちは、AI×リストで自然体ビジネス設計士の長嶺圭一郎です。
失敗の可能性を考え、先回りして備えることは大切です。ところが、正しい心配が「今は動かないほうがいい」という理由に変わると、目の前のお客様へ価値を届けられなくなります。
先に書いておきますが、この話に正解はありません。リスクを正しく理解していることは素晴らしいことですし、リスク管理そのものも正しいことだと思っています。
それでも、考え続けるだけでは、現実は一歩も動きません。
リスクを考えすぎて動けないときは、すべての不安を消すのではなく、目の前のお客様の悩みを解決するために引き受けるリスクを決めることが必要です。
完璧な土地を探し続けたお客様
僕が住宅営業をしていた頃、土地探しのお手伝いをすることがよくありました。
土地を見つけるたびに、この土地はここがダメだ、あれがダメだと、リスクしか見ないお客様がいらっしゃいます。
そういう方は、いつまでも土地が買えません。ずっと土地を見ているので知識はものすごくあるのに、行動できないのです。
しかも、その方が言う「この土地はここが弱い」は、おっしゃるとおりなんです。指摘そのものは正しい。
では、その弱点を全部解決した土地が出たらどうなるか。
すべての条件で完璧な土地は、価格が相場よりずっと高くなります。すると今度は、価格が高い、相場より坪単価が高いからダメですね、となる。
究極的にすべての条件が揃う土地は、まずありません。
そのお客様は、僕が新入社員だった頃から土地を探していて、僕が会社を辞めるときもまだ探し続けていました。その後のことは存じ上げませんが、たぶん見つけられていないと思います。
初めてお会いしたときの印象は、この人は土地のことをすごくよく知っている人だな、でした。それなのに行動できないまま、ご家族はワンルームに近い社宅に住み続けていました。お子さんは、わんぱく盛りのお年頃になっていました。
家は誰のために買うのかと聞くと、お子さんのためです、という答えが多く返ってきます。お子さんがのびのび過ごせること。それが家を買う目的の、大きな一つです。
その目的で買うものを、値上がりを待つ資産として数えるのは、少し違う気がしています。だから僕は、家は投資商品ではなく、子どもが小さいときの思い出を最大にするための消耗品だと考えています。
将来の完璧な選択を待つことで、今ある時間を失っていないか。
これは、土地選びに限らない問いです。
知識があるほど、動かない理由を作れてしまう
起業や新しいサービスの相談でも、同じことが起きます。
もちろん、始めたばかりで右も左も分からないという方もいます。一方で、僕がアドバイスする必要があったのだろうかと思うほど、博識な方もいらっしゃいます。
何を言っても「それは知っています」「そうですよね、やっぱりそうですよね」。その方にとって、新しい発見が一つもない。
周りにもいないでしょうか。とても物知りなのに、なぜか困っている人。
そういう方は、たいてい先の話ばかりをしています。
先見の明がある、というと聞こえはいいのですが、先見の明は毒にも薬にもなります。先見の明そのものはすごいことです。問題は、それを今動かない理由にしてしまうことです。
今動かないのは、リスクを正しく把握しているからだ。
そう言えてしまうと、動かないことに正当な理由がついてしまいます。しかもリスクを認識して動かないことは、正しいか正しくないかで言えば、正しいことになってしまう。
それでも、たくさんの方を見てきて思うことがあります。
うまくいく人は、どこかでリスクを踏み倒して前に進んでいる人です。
未来は不確定です。約束された未来を確実に掴みたいなら、成功事例が証明されたパッケージを使うしかありません。ただ、起業や自分で事業を立ち上げるところに、そんなパッケージはまずありません。

お客様が買うのは、今の悩みを解決する人
ここで、お客様の側から見てみます。
何かを頼むときに、こういうリスクがあります、ああいう場合は保証できません、こういう方は対象外です、と全部並べ立てられたあとで「それでもいいですか」と聞かれて、はいと答える方は、まずいません。
例外はあります。誰もが知っている名前で、圧倒的な信頼と実績があり、どんな条件でもあなたにお願いしたいとお客様のほうが追いかけてくる。そこまでの強さを持った企業なら、それができます。
ただ、これから駆け上がろうという段階の企業や個人が同じことをすると、お客様は面倒だと感じて去っていきます。掴めたはずのチャンスも逃してしまいます。
お客様が探しているのは、何年後かに完璧になる人ではありません。今、自分が困っていることを解決してくれる人です。
僕のところへ来るお客様の多くは、今、集客や販売で困っています。将来起きるかもしれない問題より、今日止まっている集客の流れや、目の前の見込み客への対応を前へ進めてほしいと考えています。
つまりお客様が求めているのは、「あなたの今の困りごとを解決します」という約束です。昨日の記事では、商品を一つに絞る代わりに、お客様への約束を強くする考え方を書きました。詳しくは商品・サービスの特化戦略をご覧ください。
約束を強くすれば、その約束を守る責任も大きくなります。先に逃げ道を並べたくなるのは、この責任が怖いからです。それでも責任ごと引き受けると決めるから、お客様は安心して相談できます。
それでも、こういうお客様が来たらどうするんですか、という不安は残ります。相談を受けたときに僕がお伝えしているのは、そういうお客様は来ますよ、そりゃ、ということです。そのうえで、起こったときに考えればいいんじゃないですか。とりあえずやって、走りながら考えるしかないですよね、と。
お客様の役に立つこだわりか
こだわり自体は、悪いものではありません。
目の前のお客様にとってメリットのあるこだわり、今この瞬間に困っているお客様を救えるこだわりは、徹底的に持つ必要があります。
反対に、そのこだわりがお客様の今の悩みを何も軽くしないなら、事業者側のエゴになっています。
新しい仕組み、理想の設計、将来の拡張性。どれも考える価値はあります。
ただ、お客様の側は「そんなことを言っている場合ではない」という状態かもしれません。
集客できない、売上が上がらない。その「今すぐ」を解決することが、僕の第一優先順位です。
新しい設計を考える前に、今のお客様が何に困っているのかを見失っていないか確認してください。
リスクが起きたら、その時に対応する
僕自身、動いたあとに問題が起きなかったわけではありません。
コミュニティを始める前は、参加者が集まらないかもしれない、人数が少なければ労力のほうがかかるかもしれない、場が荒れるかもしれない、悪意のある人が入るかもしれない、と心配していました。
それでも、えいやで始めました。
今運営しているゼロリスというコミュニティには、結果的にいい方ばかりが集まりました。これは結果論です。その前に運営していた朝活モーニングショットという無料コミュニティは、最大で240人ほど、出入りを含めた延べでは500人ほどの規模になりました。
どちらでも、投資案件の投稿を大量に投げ込む人が現れたり、強制退会になった方が出たりしています。つまり、最初に懸念していたリスクは、実際に発生しました。
仕事場として使っている車のVan Officeも同じです。購入前に想定していたリスクを、見事に全部踏み抜きました。
そのたびに、起きた問題へ対応してきました。
始めなければ、問題は起きません。その代わり、何も育ちません。
あのときリスクを突き詰めて考えていたら、僕は今もVan Officeを持っていないと思います。
世の中のスピードは速くなり続けています。停滞は後退です。止まっている間に周りが進み、掴めたはずのチャンスも掴めなくなります。

待つほど、リスクは大きく見える
動かない時間が長くなっても、リスクは消えませんし、小さくもなりません。
むしろ、考えれば考えるほど大きくなります。
先ほどの土地を探し続けたお客様も同じです。行動しなかったという結果が、そのまま残っていきます。
残ってしまった以上、ここまで動かなかった自分を正当化したい、巻き返したいという気持ちが働きます。
ご本人も分かっているのです。石橋を叩いて渡る性格のせいで、家族がずっと社宅にいる。子どもは大きくなってきたのに、ずっと一部屋で暮らしている。その状況に、後ろめたさも感じている。
だからこそ、それを挽回できる完璧なものを求めるようになります。
こうなると悪循環です。同じリスクでも、待つ時間が長いほど本人が体感するリスクは大きくなり、ますます動けなくなります。
決められないなら、考える期限を置く
リスクがゼロの選択肢はありません。どこかでリスクを踏み倒して動く必要があります。
では、いつ動くのか。今以外にありません。将来動きます、では遅いのです。
どうしても決められないなら、妥協案として期限を置いてください。ここまでは悩む、その時点で解決できなければ前へ進む、と日付を決めておくことです。
10日後でも20日後でもかまいませんが、3か月後4か月後にするのは、さすがに遅すぎます。
正論は、正しいから正論です。ただ、正しさは足を止める理由にもなります。正しいことをしているので、誰にも否定されません。
その代わり、結果だけを見れば一歩も動けていない。場合によっては、動けないまま状況が悪化していく。その結果だけが残ります。
だからどこかで、えいや、と動く必要が出てきます。正しいか間違っているかで言えば、僕の言っていることは間違っているのかもしれません。それでも、前に進むにはそうするしかないと思っています。
リスクを踏み倒して、前へ進んでいきましょう。まず決めるのは、今目の前のお客様の何を「今すぐ」解決するかです。残りは、起きたときに考えれば間に合います。
コンテンツ制作について
この記事は、長嶺圭一郎自身の対話・取材・実体験・調査をもとに制作しています。AIは構成や表現の補助に活用し、最終判断と責任は長嶺圭一郎が担います。
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