こんにちは、AI×リストで自然体ビジネス設計士の長嶺圭一郎です。

僕は「ゼロリス」という会員制のコミュニティを運営しています。リストマーケティング、つまりお客さんの連絡先を預かってこちらから情報を届ける売り方と、AI活用を学ぶ場です。会員さんは、会員サイトに追加される教材や勉強会の動画を見て学ぶ形です。

半年ほど前から、その会員サイトの更新をメールで知らせる「回覧板」を送るようになりました。中身は「今日はこの教材を追加しました」というお知らせだけ。会員サイトを開けば分かる情報しか書いていないので、回覧板だけを読んで何かが学べるわけではありません。

更新のたびに送るので、週に1回以上は届きます。多すぎないだろうかと気になって、会員向けの勉強会で聞いてみたんです。回覧板、頻度が多すぎませんか、と。

すると、その場にいた全員が「あれでいいです。続けてください」と。減らしてほしい、という声は一人からも出ませんでした。

新しい情報は、何も足していません。それなのに喜ばれた。回覧板で増えたのは「届く」ことだけです。会員さんは、何か更新されたかなと会員サイトを見に行かなくても、更新があったことが分かるようになった。それだけで、続けてほしいと言われたんです。

いい商品や役立つ情報を用意しているのに、思うように利用してもらえない。そう困っているなら、中身の質と一緒に、お客さんが受け取るまでの手間を見直してほしいんです。お客さんは質を求めています。ただ、質だけで選んでいるわけではなく、受け取るまでにめんどくさいものはとにかく避ける。僕はそう見ています。

更新を「見に行く」と「届く」は、同じではない

運営する側から見ると、更新情報は会員サイトにも、会員同士が交流するオンラインのグループにも載っているので、そこを見てもらえば分かると思ってしまいます。

でも、見る側には作業が残っています。サイトを開く。新しい情報があるか確かめる。必要なものを探す。忙しい日に、それを毎回やれるとは限りません。

メールで届けば、更新されたその日に知らせが来るので、探しに行く作業そのものがなくなります。今必要なら開けばいいし、今はいらなければ見送ればいい。会員さんは、見るか見ないかを決めるだけです。

情報を増やさなくても、受け取るまでの面倒を減らせば、価値が増えることがあります。

数字も一つだけ。ゼロリスの毎月の退会率は、立ち上げから会員100人になるまでの約3年間は月3.3%ほどでした。それが、回覧板を始めたこの半年は月1%台です。同じ時期に他にも変えてきたことがあるので、回覧板のおかげだと言い切るつもりはありません。ただ、届くという当たり前のことを全員に喜ばれた手応えと、この数字が重なったことは、僕には大きかった。

大画面の没入感と、手元ですぐ始められる手軽さを比べる図解

最高の環境があっても、すぐ始められる方を選ぶ

お客さんの面倒を考えるとき、僕は自分がお客さんの立場になる場面を思い出します。たとえば、ゲームの遊び方です。

僕はPS5もSwitch 2も持っています。PS5は、仕事机の大きなモニターにつないであって、そこで遊ぶと映像がきれいで、世界に入り込める感じがある。最高のゲーム体験をするなら、絶対にこちらです。

それなのに、そのモニターの前に座ったまま、Switch 2を手に取っていることがあるんです。

PS5で遊ぶには、モニターの入力をPS5に切り替える必要があります。Switch 2は手元の本体画面でそのまま遊べる。切り替えればいいだけなのに(笑)、ちょっとした合間に遊ぼうと思うと、その一つの操作さえ省ける方を選んでしまう。シンプルに、始めやすいからです。

僕だけの話ではなさそうです。Switch 2は、何年も前に出たPS5より性能では劣ります。それでも今、同じタイトルの販売本数を調べると、任天堂のSwitch向けの方がPS5向けより2倍、3倍と売れているものがいくつもありました。ゲーム機がロードの速さや画質で勝負していた時代から、始めやすさで選ばれる時代へ変わっている。僕はそう見ています。

ただし、商品によって求める体験は違います。同じ販売本数を見ても、ホラーゲームはPS5版の方がよく売れています。怖さや臨場感を味わうゲームは、大きな画面で没入すること自体が価値になるからです。何でも簡単にすれば選ばれる、という話ではありません。それでも全体で見れば、気軽に始められる方が選ばれている、というのが僕の見方です。

ゲームに限った話でもありません。僕は毎朝、朝ビジというビジネスの話をするライブ配信をしていて、そこでも同じことが起きました。1か月半ほど前まではXの音声だけで配信していたのを、YouTubeでも同時に配信するようにしたら、コメントがほとんどYouTubeへ移ったんです。YouTubeは通知が流れて、そのままコメントできる。Xでもコメントはできますが、ライブにコメントするための操作がひと手間多い。同じ内容なら、人は手間の少ない方へ移る。このひと手間が、人の移動を起こすんです。

本を読まない人も、文字には触れている

同じことが、本の読まれ方にも起きています。

僕はスマホのKindleで本を読むことが多いです。専用のKindle端末の方が紙に近くて読みやすいと分かっていても、すでに手元にあるスマホの方が手軽なんですよね。読書の質より、すぐ読み始められる方を選んでいる。

本を読まない人は、増えています。文化庁の令和5年度「国語に関する世論調査」では、1か月に本を読まない人は62.6%で、前回の調査より増えました。ここでいう本には電子書籍を含み、雑誌と漫画は含みません。

ただ、同じ調査で、本を読まないと答えた人の75.3%は、SNSやインターネット記事など、本以外の文字をほぼ毎日読んでいます。

本離れは進んでいます。それでも、文字が読まれなくなったわけではない。文字を読む場所が、より楽に手に入るところへ移っているだけだと、僕は見ています。

稲田豊史さんの『本を読めなくなった人たち コスパとテキストメディアをめぐる現在形』という本は、こうした変化について、質の高いものが読まれなくなった、と書いています。なるほどと思う情報もありましたが、いい文章より目を引くものが選ばれることへの、書き手側の恨み節のように感じた部分もありました。

書き手の気持ちは分かります。いいものを作っている自負があるほど、読まれないことが悔しい。そして、その悔しさは「それくらい自分で調べてよ」「ちゃんと読んでよ」と、お客さんに努力を求める方向へ向きやすい。僕も、質にこだわるほどそう思ってしまうことがあります。

でも、そこで求めているひと手間を軽くしてあげる方が、質をさらに上げるよりも、想像以上にお客さんの中の価値を上げる。回覧板で僕が実感したのは、そのことでした。

登録を頼む案内から、何が届きいつ使えるかも伝える案内へ

登録を頼む前に、何が届くかを伝える

お客さんが探しに行かなくても、必要な情報が手元に届く。それを仕組みとしてできるのが、メールアドレスなどの連絡先を預けてもらい、メルマガや公式LINEでこちらから届けるリストマーケティングです。お客さんは、届いたものを見るか見ないかを決めるだけでいい。

ただ、そのメルマガや公式LINEへの登録そのものが、お客さんにとってはひと手間ですよね。

このひと手間は、なくせません。登録は一度はしてもらう必要がある。そこで僕は、なくせないひと手間の、重さの方を変えます。僕の経験では、同じ登録でも、お客さんの側から見て手間だけが見えるのか、受け取れるものが見えるのかで、重さが変わる。だから僕は、メルマガの登録を、メルマガの登録として募集しないようにしています。「メルマガを始めました。登録してください」だけでは、こちらの都合しか見えません。

僕の場合は、無料セミナーを入口にしています。無料セミナーを開催します、録画でも見られます、登録さえすれば届くので都合のいい時間に見てください、と案内する。そして、セミナーに登録すると公式メルマガにも登録される形にしていて、そのことはきちんと伝えます。お客さんにとっては、価値を受け取る手続きになる。同じ登録でも、それだけでハードルは下がります。

こう書くと、質を下げてでも入りやすくしろ、と聞こえるかもしれません。そうではなくて、軽くするのは入口だけです。中身はそのままで、もっと深く学びたくなった人には、その先に時間をかけて学べる場所を用意しておけばいい。

入口を軽くして、その先に深く学べる場所を用意する。

僕の場合は、その先にゼロリスや、4か月かけてAI活用を身につけるプログラムのテコリスがあります。

最後に、見直してほしいことがあります。無料プレゼントやセミナーで登録を募っているなら、その案内文に、登録すると何が届くのか、録画があるならいつ見られるのか、そこまで書いてあるか。お客さんへのお知らせを、サイトやSNSに載せるだけで済ませていないか。どちらも、お客さんが自分で確かめに来る前提、自分で手間をかける前提になっていないか、という確認です。回覧板で会員さんが喜んでくれたのは、その前提を一つ外しただけのことでした。


コンテンツ制作について
この記事は、長嶺圭一郎自身の対話・取材・実体験・調査をもとに制作しています。AIは構成や表現の補助に活用し、最終判断と責任は長嶺圭一郎が担います。

Follow me!

AI時代に売り込みゼロで力強く収益を伸ばす「7つの切り札」

AI時代に売り込みゼロで力強く収益を伸ばす7つの切り札 公式キャラクター版

5本の特別動画で無料公開

見込み客との関係を積み上げ、必要なタイミングで選ばれる流れをつくれます。集客の入口、登録後の信頼形成、商品へつなぐ導線、AIで発信を整える方法まで、順番に学べます。