WEBセールスプランナーの長嶺圭一郎です。

今回は「ターゲット」と「決定権者」が異なる商品の売り方についてお話しします。

たとえば、子ども向けの商品は商品ターゲットは子どもですけど実際に購入するのは親ですよね。

奥様がターゲットの場合でも、決定権はご主人様なんてことがあると思います。

このように、使う人と購入を決める人が異なるケースでは、単にターゲットに向けてアピールするだけでは購入に至らないケースはよくあります。

このような事例にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。


ターゲットと決定権者が異なる商品の売り方

マーケティングでは通常、商品のユーザーである「ターゲット」に向けてアピールを行います。

しかし、決定権者が異なる場合、ターゲットだけではなく「購入を決める人」にもしっかりアプローチすることが求められます。

僕も住宅営業時代に、夫婦との打ち合わせが完了し「これで契約成立だ」と思っていたら、急にご両親が登場して反対される…という場面に何度も直面しました^^;

これは、決定権者が夫婦ではなく親世代であることへのリサーチが不十分で、アプローチ不足だったことが原因です。

こうした経験を経て、マーケティングにおいても「決定権者を巻き込むこと」の重要性に気づきました。


決定権者を巻き込むマーケティング事例

次に、「決定権者を巻き込む」ことで成功している事例をいくつかご紹介します。

これらは、ターゲットと決定権者にそれぞれ違うベネフィットを訴求し、購買意欲を高める形で成功しています。

小学1年生の雑誌付録が親も巻き込む仕掛け

「小学1年生」という雑誌には、子どもが夢中になる付録が毎月ついてきます。

例えば、「組み立て式タブレット」など子どもが絶対に欲しがるものが多く、しかも作るには親の手助けが必要なほど複雑な仕組みです。

そう、親の手助けが必要なのです。ここがポイントです。

小学1年生は、子供が親に頼らないと完結しない付録を用意することで、親を巻き込んでいます。

また、親からしても子どもから「作ってほしい」と頼んでもらえる事は嬉しいことです。

しつけ等の観点からも、親にとってもメリットの大きい付録になります。

子どもがただ一人で遊ぶのではなく、親も巻き込むことで、購買意欲を高める絶妙なマーケティング戦略といえます。

こどもちゃれんじがリストマーケティング成功例といえる理由

「こどもちゃれんじ」は、ターゲットと決定権者が別々になっているリストマーケティングの成功例ともいえる存在です。

詳しくはこちらの記事でも紹介しています

進研ゼミの漫画DMプロモーションマーケティングが予想以上に考えられているって話

どうも、セールスプロモーターの長嶺です。 僕は独立する前に、あるハウスメーカーで住宅を販売するセールスマンをしていました。 ただ僕ってセールスマンのくせに自宅訪…

今見たら、もう8年も前の記事なんですね。文章が若いです。笑

こどもちゃれんじも、商品を使うのは子どもですが、決定権者である親が商品に価値を感じるような工夫が詰まっています。

販売者側は、親御さんに入会案内を手紙とともにマンガで送り、勉強や友達付き合いに悩む子どもが「チャレンジを使っている友達」に憧れて「自分もやりたい」と言い出すように設計されています。

想像してみてください。毎日宿題をやってもらうのにも一苦労している我が子が「僕もこれで勉強したい!」と言ってくるのです。

親にとってこれほど心が動かされる瞬間はあるでしょうか?

親の視点から見ても、「勉強に意欲を持ってくれるのは嬉しい」と共感しやすく、子どもが「楽しく学べる」「自己肯定感が育つ」という潜在的なメリットが伝わりやすくなっているのです。

家族で楽しむWiiのマーケティング戦略

任天堂の「Wii」は、家族みんなで楽しむために開発されたゲーム機で、大成功を収めました。

従来、ゲームは子どもが親に怒られるのを怖がって隠れてコソコソ遊ぶものでしたが、親にとってもゲーム機はできることなら買い与えたくない存在でした。

そこでWiiは「家族で一緒に体を動かして遊ぶ」ことを目的とし、コントローラーもそれに合わせて開発されています。

こうした設計で、Wiiは親も巻き込んでファミリー層全体の支持を集めた結果、それまでPlayStationシリーズに家庭内ゲーム機のシェア争いで大きく遅れをとっていた状況から、任天堂の圧倒的優勢な市場に変えることに成功したのです

任天堂=家族で楽しめるゲーム機。このブランドイメージはwiiが第一線を退き10年以上経った今でも他のメーカーを寄せ付けない、圧倒的な地位を築き続けています。


決定権者を巻き込むための3つのポイント

ご紹介したのは、親と子供の事例ばかりでしたが、決定権者が「ご主人様」「遠い親戚」「商談には来ない社長」なんて場合でも、基本的には同じです。

これらの事例からもわかるように、商品やサービスの購入において「決定権者」を巻き込むアプローチは絶対に必要です。

そのため、今自分が話している人や接点がある人以外に決定権者がいるか、疑わしい場合は、以下のポイントを気をつけてください。

決定権者の巻き込みをお客様にも依頼する

まず目の前のお客様に自分たちの商品を気に入っていただく事はいつもの販売と同じように必要ですが、それを踏まえた上で、決定権者が他にいないかどうかを確認を必ず行いましょう。

そしてその決定権を持つ別人の存在が、目の前のお客様にとってもリスクであることを伝えてください。

すなわち「あなたがこの商品を気に入っていただいたとしても、決定権を持つ人が気に入らなければこの商品は手に入りません。それはあなたにとっても不幸なはずです」といったメッセージをお送りします。こうすることで決定権を持つ人を巻き込むことが、お客様にとってもメリットであることに気づいていただくのです。

その場にいない決定権を持つ人を、販売者側だけの都合で説得する事はほぼ不可能です。まずはお客様と利害を一致させて、決定権を持つ人を巻き込む流れを作りましょう。

決定権者の潜在的なベネフィットを示す

決定権を持つ人に、何かしらのアプローチができるような流れが作れたら、その決定権を持つ人にとって「購入による嬉しいメリット」を伝えていくことが大切です。

これを直接伝えられるか、お客様に伝えていただくかは商品によって変わると思いますが、できるだけ直接伝えられるのがベストです。

直接伝えられない場合は、その決定権を持つ方へ向けた専用のプレゼンや資料などを用意してお渡ししましょう。

決してお客様に全てを丸投げしてはいけません。

僕は昔起業したいクライアントさん(男性)の夢を実現するために、奥様も交えたランチ会を開いたことがあります。

奥様は起業に否定的でしたが、そのランチ会の中で旦那様が起業した後の生活スタイルや、そもそも奥様もご自身で何かサービスを始めるのを面白いかも?といった。今まで想定していなかった未来をご提示したことで、結果的にご夫婦協力体制のもとで起業された実例があります。

決定権者の気持ちにもしっかり寄り添う

社長と部下みたいな関係ならば大丈夫ですが、ご家族のような関係ですと、お客様と決定権者ではそれぞれ価値を感じるメリットがずれている場合がほとんどです。

自分の知らない世界に自分の大切な人が行ってしまうことに、寂しさや恐怖を感じるのも致し方がないことでもあります。

その気持ちをないがしろにしないようにしてください。それぞれの気持ちを尊重し、その上でそれぞれ異なるメリットがあることを示し、両者の購買意欲を高める工夫をしましょう。ターゲットのニーズと決定権者の価値観をつなげる視点が必要です。

どうするべきか迷ったなら僕にご相談ください。

ターゲットと決定権者を巻き込むマーケティングは、普通のマーケティング比べて考えることも多く、難易度が高いものになります。

しかし、うまくいったときの達成感は非常に大きいものになります。

僕は元住宅営業として、そのようなマーケティングにも数多く携わってきてますので、お困りのことがあれば気軽にご相談ください。

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