こんにちは、AI×リストで自然体ビジネス設計士の長嶺圭一郎です。
サブスク型の会員制ビジネスやコミュニティを運営していると、どこかで上位プランを作りたくなることがあります。
標準プランとは別に、もっと熱量の高い人向けのプランを作る。個別相談や限定特典を付ける。月額単価を上げて、事業全体を安定させる。
これは、悪いことではありません。むしろ、サブスクの収益を底上げする方法としては自然です。
ただ、上位プランの作り方を間違えると、標準プランの人が残念な気持ちになります。
サブスクの上位プランは、標準プランを薄くするためではなく、標準プランで満足している人がさらに便利に使うためのオプションとして設計すると継続率を落としにくくなります。
今回は、僕がゼロリスを運営しながら大切にしている、上位プランの考え方をお話しします。
この記事の要点
- 上位プランは有効だが、標準プランの人に二の次感を持たせる設計は危ない
- 上位プランに重要情報を囲い込むと、標準プランの満足度が下がりやすい
- 継続率を落とさない上位プランは、標準プランの価値を奪わず、より便利に使うためのオプションとして作る
サブスクの上位プランは、収益アップだけで考えると危ない
会員制ビジネスを調べると、複数プランを作りましょうという話はよく出てきます。
ライトプラン、標準プラン、プレミアムプラン。松竹梅のように料金を分けて、より高い価値を求める人には上位プランへ進んでもらう。
考え方としては、たしかに分かります。僕自身も、上位プランや追加オプションを作ること自体は有効だと思っています。
ただ、ここで収益だけを見てしまうと危ないです。
サブスクは、売った瞬間の売上だけで成り立つものではありません。長く続けてもらって、トータルで価値を感じてもらうビジネスです。
だから、上位プランを作るときに見るべきなのは、月額単価だけではありません。
- 標準プランの人が今いる場所に満足できるか
- 上位プランに入らない人が、損をしているように感じないか
- 運営者自身が、その上位プランを長く続けられるか
ここを見ないまま上位プランを作ると、短期的には売上が増えても、標準プランの満足度が落ちることがあります。
標準プランの人に二の次感を持たせると継続率は落ちやすい
上位プラン設計でいちばん避けたいのは、標準プランの人が、私は妥協している場所にいるんだと感じることです。
上位プランの人だけが大事なコンテンツを見られる。上位プランの人だけが本当のサポートを受けられる。標準プランの人は、制限された中で見てくださいという空気になる。
こうなると、標準プランの人は口には出さなくても感じます。
自分は二の次なんだな。
本当に大事にされているのは、上位プランの人なんだな。
この空気が出ると、コミュニティの土台が弱くなります。
会員制サービスの本丸は、基本的には標準プランです。いちばん多くの人がいて、コミュニティの空気を作る場所だからです。
その本丸が弱ると、上位プランだけが立派でも、長く続くコミュニティにはなりにくいと思っています。
ゼロリスプラスは上位互換ではなくオプションとして設計している

僕が運営しているゼロリスにも、ゼロリスプラスという追加の仕組みがあります。
便宜上、上位プランのように見えるかもしれません。でも、僕自身はゼロリスプラスを上位プランだと思っていません。
僕の感覚では、ゼロリスプラスはオプションプランです。
ゼロリスプラスの中心的な価値は、ゼロリスのコンテンツ内容を学んだAIを、壁打ち相手として使えることです。
ここで大事なのは、ゼロリスプラスに入らないと手に入らない知識を置いているわけではない、ということです。
ゼロリス本編の勉強会やコンテンツを見れば、学びとしては受け取れます。ゼロリスプラスは、その学びをより効率よく引き出すための仕組みです。
たとえば、ゼロリスの中にはたくさんの教材や勉強会があります。それを全部自分で覚えて、自分の状況に合わせて引き出すのは大変です。
そこで、ゼロリスの内容を学んだAIに、自分のビジネスについて相談できるようにしている。
これは便利です。でも、ゼロリスプラスがないとゼロリスの価値を味わえない、という状態ではありません。
標準プランだけでちゃんと価値がある。そのうえで、もっと便利に使いたい人がオプションを選ぶ。
この順番を崩さないことが、僕にとってはかなり大切です。
上位プランに重要情報を囲い込まない
上位プランを作るとき、やりたくなるのが重要情報の囲い込みです。
この内容は上位プラン限定です。ここから先はプレミアム会員だけです。本当に成果を出したい人は上位プランへ来てください。
もちろん、限定コンテンツ自体が悪いわけではありません。
ただ、標準プランの人が成果を出すために必要な情報まで上位プランへ移してしまうと、標準プランは薄くなります。
僕は、ゼロリスの本編を薄くしたくありません。
ゼロリスに入ってくれている人には、標準プランだけでもきちんと学べる状態にしておきたい。そこに参加していること自体が、ちゃんと価値になる場所にしたい。
だから、ゼロリスプラスは知識の囲い込みではなく、知識を使いやすくする方向で設計しています。
上位プランを作るなら、ここは一度考えた方がいいです。
その上位プランは、標準プランの価値を高めていますか。それとも、標準プランの価値を削って、上位プランへ移しているだけでしょうか。
運営者の時間を吸い続ける上位プランは長く続きにくい
もう一つ、かなり大事なのが運営者の時間です。
上位プランの特典として、個別相談や直接添削を付けることはよくあります。これは価値として分かりやすいですし、必要な場面もあります。
でも、その形は運営者の時間を使います。
上位プランの人が増えるほど、個別対応が増える。個別対応が増えるほど、標準プランの更新やコミュニティ全体の改善に使える時間が減る。
すると、上位プランの人は手厚くなるけれど、標準プランの人には運営の熱量が届きにくくなります。
ゼロリスプラスも、立ち上げるときはかなり大変でした。ゼロリスの内容をAIに学ばせて、壁打ち相手として使えるようにするのは、簡単ではありませんでした。
ただ、作ってしまった後の運用は、かなりシンプルにしています。
ゼロリス本編を更新すると、ほぼ自動でAI側もアップデートされるように組んでいます。僕の時間を毎回大きく奪い続ける形にはしていません。
上位プランを作るときは、価値を足すことだけではなく、それを続けられるかも見てください。
運営者が疲弊すると、最終的には標準プランも上位プランも弱っていきます。
ゲーム攻略本に学ぶ、なくても困らないけど欲しくなるおまけ理論
僕の中で、この話を考えるときに分かりやすい例が、昔のゲーム攻略本です。
昔のゲーム攻略本には、裏パスワードや隠し要素が載っていることがありました。特定のコマンドを入力すると、画面が少し変わる。特別な声が流れる。ちょっとしたおまけ要素が出てくる。
でも、それがないとゲーム本編が楽しめないわけではありません。
ゲーム本体は、攻略本がなくてもちゃんと楽しい。攻略本に載っている裏要素は、なくても困らない。でも、好きな人にはうれしい。
このバランスが大事なんです。
もし、攻略本を買わないとゲームがまともに楽しめないなら、ゲーム本体への不満が出ます。
会員制ビジネスも同じです。
標準プランだけで十分楽しめる。標準プランだけで十分学べる。標準プランだけで十分進める。
そのうえで、もっと便利にしたい人、もっと深く楽しみたい人が、上位プランやオプションを選ぶ。
今のゲームでも、追加料金でBGMがボーカル付きになったり、本編には必須ではない追加キャラクターが使えたりします。
なくても困らない。でも、好きな人は欲しくなる。
上位プランは、このくらいの位置に置いた方が、標準プランの満足度を壊しにくいと思っています。
上位プランを作る前に確認したい5つの質問

もし今、サブスクや会員制サービスで上位プランを作ろうとしているなら、次の5つを確認してみてください。
- 標準プランだけで、会員さんは十分に満足できますか。
- 上位プランに入らない人が、二の次にされていると感じる要素はありませんか。
- 上位プランに、成果を出すための重要情報を囲い込みすぎていませんか。
- 上位プランの運営に、あなたの時間を使い続ける必要がありませんか。
- あとから内容を変えることになったとき、既存会員さんに残念な思いをさせない設計になっていますか。
上位プランは、作る前より作った後の方が大変です。
一度打ち出したサブスクは、あとから変えにくいからです。
もし内容を弱める必要が出た場合、僕ならすでに入ってくれている人には旧条件を維持して、新規の方や入り直す方から新条件にすると思います。
それくらい、サブスクでは最初の設計が大事です。
続けてもらうことも大切ですが、こちらも続けられることが大切です。
標準プランが強いから、上位プランも売れる
ゼロリスは、ありがたいことに少しずつ人数が増えています。
ただ、毎回ものすごい人数が入ってくるコミュニティというわけではありません。
大事なのは、退会が少ないことです。
新しく入ってくださる方がいて、今いる方が長く居続けてくださる。だから、少しずつ積み上がっていきます。
この状態を作るうえで、僕は標準プランの満足度をかなり大切にしています。
上位プランを強くするために、標準プランを弱らせるのではありません。
標準プランが強いから、もっと便利に使いたい人がオプションを選んでくれる。
この順番です。
コミュニティ運営や会員制ビジネスを考えている方には、上位プランを作る前に、まず標準プランを見直してみてほしいです。
標準プランの人が、ここにいてよかったと思えるか。
上位プランに入らなくても、ちゃんと大切にされていると感じられるか。
そこが整っていると、上位プランは押し売りしなくても、自然なオプションとして受け取ってもらいやすくなります。
サブスクは、長く続けてもらうビジネスです。
だからこそ、上位プランを作るときほど、いちばん多くの人がいる標準プランを大切にする。
ここを外さないことが、継続率を落とさない上位プラン設計の土台だと思っています。
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