こんにちは、リストマーケ歴22年、AI×リストで自然体ビジネス設計士の長嶺圭一郎です。

リピーターを増やしたいなら、商品やサービスの満足度を上げることはもちろん大切です。満足度を軽く見ていいという話ではありません。満足度が低ければ、次の購入も紹介も起きません。

ただ、僕が現場で何度も見てきたのは、満足してもらえているのに次につながっていない事業です。お客様には喜んでもらえた。感想も良かった。なのに、半年後、一年後にまた戻ってきてくれる流れがない。

満足してもらえているのに次の購入につながらない状態は、商品力だけの問題ではありません。購入後も関係が続く設計がないことが、かなり大きいです。

32名中15名が申込。15名中14名が過去のお客様だった

先日、僕の講座説明会で分かりやすい数字が出ました。リアルタイム参加は昼17名、夜15名。合計32名です。

その時点で15名の方からお申し込みをいただきました。32名中15名なので、約46.9%。金額が安い講座ではないので、本当にありがたい数字です。

この数字はありがたい結果ですが、成約率だけを見ても今回の本質は見えてきません。

申込15名中14名が、過去に僕の商品やサービスを受け取ってくださっていた方でした。過去の講座に参加してくれた方、コミュニティに入ってくれている方、スポットコンサルを受けてくれた方、別の教材やサービスを購入してくれた方。

この内訳が示しているのは、販売当日に突然信頼が生まれたわけではない、ということです。一度価値を受け取ってくれた方と関係が切れていなかったから、必要なタイミングでもう一度案内を届けられました。その結果として、戻ってきてくださった方が多かったんです。

この順番を見落とすと、説明会の話し方が良かった、価格が良かった、講座内容が良かった、という表面的な分析で止まります。もちろんそれらも大切です。ただ、説明会の前から過去のお客様と連絡できる状態を作っていたことが、もっと土台にあります。

満足してくれていても、きっかけがなければ戻ってこない

満足してくれたお客様が再購入するまでに必要な関係設計
満足と再購入の間にある関係設計

この話をすると、「では満足度を上げればいいのか」と考える人も多いはずです。リピーター施策で満足度を上げることは正解です。けれど、満足度だけでは次の購入までつながりません。

お客様は、こちらの商品やサービスのことだけを考えて生活しているわけではありません。仕事があります。家族の予定があります。体調もあります。毎日たくさんの情報も入ってきます。

どれだけ満足してくれていても、時間が経てば記憶は薄れます。次の商品やサービスがあっても、案内が届かなければ知りようがありません。

お客様が満足していても案内に気づけないなら、再購入の行動は起きません。だから僕は、リピーターには少なくとも2つの条件が必要だと考えています。

  • もう一度お願いしたいと思える満足度
  • もう一度お願いする理由が届く接点

この2つがそろって、初めてリピートは起きます。満足度だけで自然に戻ってきてくれるだろう、という考え方はかなり危険です。

リストマーケティングは新規リスト集めだけではない

リストマーケティングというと、無料プレゼントを作ってメールアドレスを集めることだと思われがちです。もちろん、新規のお客様と出会う入口としてのリストづくりは大切です。

でも、リストマーケティングの役割はそれだけではありません。すでに購入してくれた人、体験してくれた人、相談してくれた人と関係を切らさないことも、リストマーケティングの大きな役割です。

過去の購入者、講座の受講生、体験会の参加者、個別相談を受けた人、セミナー参加者。一度こちらに興味を持ってくれた人と、今も連絡できる状態になっているでしょうか。

「過去のメールを探せば出てくるはず」「決済履歴には残っているはず」「SNSでつながっているから何とかなるはず」だと、実務上かなり弱いです。必要な人に、必要なタイミングで、必要な案内を届けられる状態になっていて、初めて既存顧客リストは事業の資産になります。

既存顧客リストは、未来の常連さんの入口

既存顧客リストがリピーター中心の事業を育てる流れ
既存顧客リストの好循環

既存顧客リストの重要性を考えるうえで、僕自身の原体験も関係しています。僕はもともと人見知りです。新規の人にガンガン売り込むのは、正直かなり苦手です。

学生時代、僕はラーメンランドというラーメン屋でアルバイトをしていました。そのお店は常連さんが多く、曜日や時間帯ごとに「あの人が来る」という空気がありました。僕が楽しかったのは、初対面の人を毎回説得することではなく、顔なじみのお客様と関係の中で会話できることでした。

その経験があったので、僕は「人と話す仕事は楽しそうだ」と思って住宅営業に入りました。ところが住宅営業の現場では、常連さんが来てくれるのではなく、知らない人へこちらから向かっていく場面が中心でした。同じ人と話す仕事でも、心理的な負荷はまったく別物でした。

訪問が苦手だった僕は、その後、手紙やメールでお客様との関係を続けるやり方に活路を見つけました。手紙やメールに取り組んだことで、新規のお客様を追いかけ続けるのではなく、一度出会ったお客様との関係を育てる道が見えました。

だから僕にとって既存顧客リストは、単なるメールアドレスの束ではありません。一度出会った人を一回きりで終わらせず、未来の常連さんとして関係を続けるための土台です。

情報を大切に扱うことと、関係を切ることは違う

以前、教室業の相談で印象的な話がありました。体験入会に来た人の名簿を、何十年もシュレッダーにかけていたという話です。

この対応は、雑な対応ではありませんでした。むしろ、お客様の個人情報を大切に扱おうとする誠実さから出た行動でした。流出させてはいけない。いつまでも持ち続けるのは良くない。だから、成約につながらなかった体験者の名簿を処分していたのです。

その気持ちは分かります。ただ、事業設計として見ると、体験に来てくれた人と後日もう一度つながる導線がありませんでした。

体験に来たということは、少なくとも一度は興味を持ってくれた人です。その時はタイミングが合わなかっただけかもしれません。家族の予定、予算、別の用事。理由はいろいろあります。

だから必要なのは、個人情報を雑に持ち続けることではありません。適切な同意を得て、何のために連絡するのかを伝え、配信停止や解除の導線も用意したうえで、後日役立つ案内を届けられる状態を作っておくことです。

個人情報を雑に集めることと、誠実に関係を続けることは違います。そして、情報を大切に扱うことと、すべての関係を切ってしまうことも違います。

リピーター中心になると、サービスに時間を戻せる

新規向けのマーケティングは、時間も精神力もかなり使います。知らない人に見つけてもらい、興味を持ってもらい、信頼してもらい、比較を超えて選んでもらう必要があるからです。

一方で、過去のお客様と連絡できる状態があると、事業の構造は少しずつ変わります。すでに価値を受け取ってくれた人がいる。こちらの考え方を知ってくれている人がいる。その人たちに、前回の体験とつながる次の提案を届けられる。

すると、新規集客だけに使っていた時間の一部を、サービス提供へ戻せます。教材を更新する。受講生の質問に答える。コミュニティ内の企画を増やす。サポートを厚くする。

サービスが良くなれば、満足度が上がります。満足度が上がれば、リピートや紹介につながります。リピートや紹介が増えれば、さらにサービスへ時間を戻せます。

サービス改善とリピートがつながる循環ができると、事業はかなり強くなります。売上だけではありません。自分の専門性に集中できる時間が増え、お客様に向き合える時間が増え、新規集客に追われる不安が減ります。

今日見直してほしいこと

リピーターを増やしたいなら、まずは次の5つを見直してください。

1. 過去購入者に連絡できる状態になっているか

誰が、いつ、何を購入したのか。今後どんな案内を送ってよいのか。必要なときに対象者を絞って案内できる状態になっているかを確認してください。

2. 購入後に何を届けるか決まっているか

購入直後だけでなく、1週間後、1カ月後、3カ月後、半年後など、時間が経った後の接点を作れているか。売り込みではなく、活用ヒント、事例、追加資料、近況共有、関連する学びを届ける導線が必要です。

3. 次の商品とのつながりを説明できるか

過去に買ってくれた人へ次の商品を案内するときは、「なぜあなたに関係があるのか」が大切です。前回の購入内容と今回の案内がどうつながるのかを説明できると、案内は売り込みではなく次の提案になります。

4. 配信停止や解除の導線があるか

関係を続ける仕組みは大切ですが、相手が望まない連絡を送り続けるのは逆効果です。メールを送るなら配信停止の導線を用意する。LINEで連絡するならブロックや解除ができる前提で案内する。個人情報を取得するなら、利用目的を説明する。こうした安心材料があるから、関係を続けやすくなります。

5. 新規集客と既存顧客フォローの時間配分を見直す

新規集客は大切です。ただ、過去のお客様との接点が空っぽのまま新規集客だけを増やすと、毎回ゼロから信頼を作る状態が続きます。一度来てくれた人を一度きりで終わらせない設計にも、時間を使ってください。

まとめ

リピーターを増やす方法は、満足度を上げることだけではありません。満足度は大前提です。ただし、それだけではお客様は戻ってきません。

購入後も連絡できる状態を作る。関係を切らさない。必要なタイミングで次のきっかけを届ける。過去のお客様に、今必要な提案をする。

購入後に連絡できる状態、関係を切らさない発信、必要なタイミングの案内。この3つがあって、初めてリピーター中心の事業は育ちます。

リストマーケティングは、新規リストを集めるためだけのものではありません。一度出会ったお客様との関係を一回きりで終わらせず、常連さんに囲まれる事業を作るための土台です。

毎回新規集客に追われている人ほど、まずは過去のお客様との接点を見直してください。過去のお客様と関係を続ける設計の先に、次の売上だけではなく、もっと健全で続けやすい事業の形があります。

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