AIモデルは仕事で分ける

AIモデルは、こまめに切り替えた方がいいんだろうなとは思う。

ただ、クオリティは落としたくない。

今回考えたかったのは、この二つをどう両立するかでした。

考えを整理するための壁打ち、素材を集める調査、フォルダの中身を確認する機械的な処理、そしてお客さんが読む最終原稿。やっている仕事は全く違うのに、同じモデルと推論レベルで続ける必要があるのか。

ぶっちゃけ、壁打ちまで一番上のSolでやるのは、かなりもったいない。

一方で、記事やLPの最終制作まで軽いモデルへ寄せれば、今度は品質が気になります。そこで、GPT-5.6系のLuna、Terra、Solを、性能順ではなく仕事の担当で分けることにしました。

OpenAIの公式案内では、Solは最上位モデル、Terraは知性とコストのバランス、Lunaは高頻度の処理に向くモデルとして位置づけられています。僕の仕事に置き換えると、こうなります。

Lunaは手を動かす担当。Terraは一緒に考える担当。Solは、お客さんへ渡すものを仕上げる担当。

Luna・Terra・Solの役割分担

モデルと推論レベルと高速化モードは、別々に考える

ここを一緒にすると、急にややこしくなります。

モデルは、誰に仕事を頼むかです。5.6 Luna、5.6 Terra、5.6 Solのどれに渡すか。

推論レベルは、その担当にどこまで深く考えてもらうかです。僕の画面では「軽・中・高・極高・最大」と表示されます。

高速化モードは、処理を急ぐための設定です。モデルを変える機能でも、推論を深くする機能でもありません。

この3つを何となく全部上げると、何が効いたのか分からないまま利用枠だけが減ります。先に仕事を担当分けし、その仕事に必要な分だけ推論レベルを上げる。僕はこの順番にしました。

画面に出る名称や選べる範囲は、契約内容や時期で変わる可能性があります。ここでは、僕が普段使っているOpenAIのAIツール、Codexの画面表記で説明します。

Lunaは、答えを決めない仕事に使う

Lunaへ渡すのは、量が多く、手順を決めやすい仕事です。

たとえば、素材フォルダに何が入っているか一覧にする。資料名の重複を探す。過去記事から特定の言葉を拾う。複数の原稿を比べて差分を出す。外部サービスを更新した後に、表示やリンクを確認し直す。

こういう機械的な処理は、Lunaの出番です。

もちろんLunaでも文章は書けます。ただ、僕はお客さんに見せる最終原稿を最初から最後まで任せません。Lunaには結論を決めてもらうより、事実、候補、不明点を分けて返してもらいます。

単純な抽出や分類なら、推論レベルは「軽」から始めます。少し判断が必要なら「中」へ上げる。それで十分な仕事は、かなりあります。

Terraは、壁打ちと調査の整理に使う

Terraは、考えがまだ言葉になり切っていない時に使います。

複数の素材を読んで何を主役にするか決める。調べた情報と自分の経験を並べ、抜けや矛盾を探す。長い会話から次に決めることを抜き出す。

今回のモデルの使い分けも、最初はTerraで壁打ちするのが合っていました。「Lunaは機械的な処理、Terraは壁打ち、Solは最終制作」という大枠を一緒に詰める段階だったからです。

Nature Salesの記事を書くなら、過去の発信やプロフィール、素材フォルダから使えそうな話を集め、何を残して何を外すかまで一緒に考える。この段階もTerraが合います。

日常の相談や構成づくりなら「中」。一次資料が複数あり、食い違いの確認や実行順の組み立てまで必要なら「高」へ上げます。

Solは、お客さんへ渡す最後のところで使う

Solへ切り替えるのは、文章の出来が仕事の信用に直結する場面です。

Nature Salesの記事、メルマガの本稿、LPの言葉、お客さんへの提案書、複数の条件がぶつかる企画の最終判断。正確なだけでは足りず、読んだ人にどう届くかまで考えたい仕事です。

ここは、利用枠の節約だけを理由に軽いモデルへ寄せません。

途中でLunaやTerraが集めた材料は使います。ただし、途中の整理をそのまま最終稿にはしない。Solへ一次情報と判断材料を渡し、お客さんへ届ける言葉として改めて仕上げます。

仕上げ案の段階から、実際に公開・納品する最終稿まで、お客さんへ渡すものは「極高」を基準にします。複数の条件がぶつかる重要な判断も同じです。

「最大」は、難しそうだから最初から選ぶものではないと思っています。「極高」で足りないことが実際に分かった時に、違いを比べるために使う。そのくらいで十分です。

推論レベルは、仕事の重さに合わせる

資料名の一覧化なら、Lunaの「軽」で十分です。

一方、お客さんへ公開する文章なら、言葉の選び方、前後のつながり、締め方まで見てほしい。ここには時間と利用枠を使う意味があります。

僕の現在の目安は、次のとおりです。

仕事まず選ぶ組み合わせ
素材の一覧化、重複確認、決まった形式への整形5.6 Luna / 軽
少し判断が必要な抽出や分類5.6 Luna / 中
日常の相談、企画の壁打ち、素材からの構成づくり5.6 Terra / 中
複数資料の照合、調査から実行順を組み立てる5.6 Terra / 高
記事、LP、メルマガなど、お客さんへ渡す最終制作と重要な判断5.6 Sol / 極高
極高で足りないと実際に分かった時5.6 Sol / 最大を試して比べる

推論レベルと高速化モードの選び方

会話の途中でモデルを替えても、エラーになるわけではない

モデルを切り替えようとすると、会話の品質が低下する可能性がある、という注意が出ることがあります。

僕の画面では、モデルを切り替えた後もそのまま会話を続けられました。表示されているのは、モデルごとの答え方や考え方の違いによって、会話の温度や判断の深さが変わる可能性への注意です。

僕は切り替える時に、次の担当へ渡す材料を短く整理します。

  • 何が確定しているか
  • 何がまだ分からないか
  • 次の担当に何を完成させてほしいか

僕はこの3つを引き継ぎメモにすることで、最初から説明し直す場面を減らせています。

高速化モードは、僕はおすすめしません

高速化モードは、間違いなく速くなります。

ただ、僕が試した時は、本当に恐ろしいほど利用枠を消費する感覚がありました。しかも、消費量に対して「これほど速くなったなら仕方ない」と思えるほどの差ではなかったんです。

速くはなっている。でも、消費量に見合っているとは思えない。

だから僕は、普段はおすすめしません。

締切直前の修正、ライブ配信やイベントの直前、お客さんを待たせていて本当に一分でも早く返したい時。そういう時は使っていいと思います。

急いでいない仕事なら、通常の速度で早めに始めた方がいい。高速化モードは常用するものではなく、本当に急ぐ時の予備として残しておく。それが今の僕の判断です。

これは僕の契約と使い方での実感です。利用枠の減り方や体感速度は、契約内容や作業の重さで変わる可能性があります。

「作業開始前に判定する」だけでは、うまく動かなかった

ここからは、Codexでこの使い分けを選び忘れないための、僕自身の運用です。

依頼するたびに「これはLunaだったかな、Terraだったかな」と自分で考えるのも面倒です。忙しいと、開いているモデルへそのまま頼んでしまいます。

そこで僕は、Codex側にモデルと推論レベルを提案させるルールを作りました。

ところが最初は、「作業開始前に判定してください」と書いただけでした。これだと、チャットの最初に一度確認した後、途中で仕事が変わっても提案してこないことがあったんです。

壁打ちから調査へ移る。調査した内容を記事にする。記事を書いた後、WordPressへ反映する。同じチャットの中でも、必要な担当と推論レベルは変わります。

ルールが書いてあっても、必要な場面で動かなければ意味がありません。

そこで現在は、新しい依頼や追加指示を送るたびに、次の仕事を始める前に再判定する形へ直しました。モデルと推論レベルが合っている時は何も言わずに進み、ずれている時だけ提案してもらいます。

さらに、顧客向けの記事を直している途中にWordPress操作が入っても、単なるツール操作へ格下げさせません。文章、構成、見た目、締め方に触れている間は、最後まで顧客向けの最終制作として扱います。

毎回裏で判定されますが、確認で止まるのは設定がずれている時だけです。それでも途中で切り替える手間は少しあります。ただ、必要のない仕事で重い設定を使い続けず、品質が必要な場面では軽い設定のまま進めない。僕は、その手間より利用枠と品質を守れる利点の方が大きいと感じています。

Codexにモデル選びを提案してもらうプロンプト

同じ仕組みを作りたい方は、次の枠内をそのままコピーして、Codexへ貼り付けてみてください。

この運用プロンプトは、必要な時だけ切り替え案を出してもらい、実際の切り替えは自分で行う形です。

▼ ここから下がコピー用プロンプトです

僕が新しい依頼や追加の指示を送るたびに、次に行う仕事を、検索・機械的な処理・ツール操作・壁打ち・調査分析・顧客向けの最終制作などに分類してください。

分類と推奨設定は、次を基準にしてください。
・単純な検索、事実取得、機械的な抽出・分類・一覧化・形式変換:5.6 Luna/軽
・少し判断が必要な抽出・分類、手順が明確なツール操作や更新後の確認:5.6 Luna/中
・壁打ち、相談、企画の初期整理:5.6 Terra/中
・複数資料の調査、原因診断、構成判断:5.6 Terra/高
・記事、LP、メルマガ、教材、提案書など顧客向けの最終制作:5.6 Sol/極高
・極高で品質不足が実際に確認できた最難関の仕事:5.6 Sol/最大

この判定は、チャット開始時に加え、同じチャットの途中でも毎回行ってください。壁打ちから調査、調査から最終制作など、仕事の工程が変わった時も改めて判定してください。

最初の検索、ファイルの読み取り、文章作成、ツール操作へ入る前に、現在のモデルと推論レベルが次の仕事に合っているか確認してください。

合っている場合は何も言わずに進めてください。
ずれている場合だけ、画面に表示される名称で、推奨モデル(5.6 Luna/5.6 Terra/5.6 Sol)と推奨推論レベル(軽・中・高・極高・最大)を教えてください。

現在のモデルや推論レベルを正確に確認できない場合は、推測で現在設定との比較をしないでください。「現在の設定は確認できません」と明記し、次の仕事に合う推奨モデルと推論レベルだけを伝えてください。その後、僕が設定を確認するまで作業を始めないでください。

顧客向けの記事・LP・メルマガ・教材などは、文章、構成、見た目、締め方を修正する途中も「顧客向けの最終制作」として扱ってください。WordPressなどへ反映する作業が含まれていても、内容の品質が関係する間は単なるツール操作へ格下げしないでください。

推奨を伝えたら、僕が切り替えるか現在の設定で進めるかを選ぶまで、作業を始めないでください。
モデルは自動で切り替えず、僕の判断を待ってください。

僕が選んだ後は、同じ依頼・同じ工程について同じ提案を繰り返さなくて大丈夫です。ただし、新しい依頼や工程変更があった時は、もう一度判定してください。

▲ ここまで

ルールは、実際に止めてくれて初めて意味がある

今回、僕はモデルの使い分けをTerraで壁打ちしていました。そしてNature Salesの記事として仕上げる段階に入る時、Codexから切り替えの提案があり、それを受けて5.6 Solの「極高」へ切り替えました。

さらに、記事をWordPressへ入れた後で「文章が僕っぽくない」と気づき、もう一度、壁打ちで実際に話していた言葉へ戻して直しています。

AIの使い分けが効くのは、次の仕事が変わった時に「今は切り替えた方がいい」と必要な場面だけ声をかけてくれる状態です。Luna、Terra、Solの名前を覚えるより、実際に動く判断ルールを作る方が役立ちます。

まずは、次にCodexへ送る依頼の前に、上のプロンプトを一度貼ってみてください。

機械的な仕事はLunaへ。考えを整理する仕事はTerraへ。お客さんへ届ける最後の仕事はSolへ。

仕事に合う担当へ渡せば、品質を保ったまま利用枠も守りやすくなります。僕はこの分け方で、AIをもっと現実的に使っていきます。

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