こんにちは、AI×リストで自然体ビジネス設計士の長嶺圭一郎です。
お客様の声をお願いしたのに、「良かったです」「勉強になりました」で終わってしまう。そのまま販売ページに載せても、買うかどうか迷っている人の判断材料にならない。そんな経験はありませんか。
昨日、「お客様の声って、どうやってもらえばいいんですか」という質問をいただきました。その方が知りたかったのは、手紙でもらうか音声でもらうかという手段ではなく、お客様に何を聞けばいいのか、というところでした。
販促に使うお客様の声は、購入を迷う人へ先に買ったお客様から渡す手紙として集めます。
最初に「何のために集める声なのか」を分けることが大事です。
お客様の声は、改善用と販促用を混ぜない
お客様の声には、大きく二つの目的があります。
一つは、商品やサービスを良くするための調査です。
改善してほしい点、もっとこうなると便利だと感じたこと、どこで商品を知ったか。こうした質問は、商品開発や集客経路の分析に欠かせません。
「どこで知りましたか」は、ぜひ聞いておきたい項目です。ただ、これはあくまでマーケティングのリサーチであって、お客様の購入判断とは直接つながりません。だから、こちらも調査の側へ置きます。
もう一つは、購入を検討している人の判断を助けるための声です。
購入前の悩み、選んだ理由、使ったあとの変化、向いている人、迷っている人への言葉。こちらは販売ページや案内文で、未来のお客様へ見せる内容です。
どちらも大切です。ただ、一つのアンケートで混ぜると役割が曖昧になります。
商品を喜んでくださった声の途中に、「ここは改善してほしい」「この機能が分かりにくかった」と並んでいたらどうでしょう。
書いているお客様の側に、マイナスの感情はほとんどありません。応援してくださっているから、強いて言うならこれかな、というくらいの気持ちで教えてくださっています。
ただ、その声を初めて読む人は事情を知りません。お金を払うからには、いちばんいいものを選びたい。だから小さな一言でも、ここが弱いのかもしれない、と引っかかります。いいことが書いてあるのに、最後だけ何か含みがあった。そういう読まれ方にもなります。
商品を直すための声と、迷う人の判断を助ける声は、質問も掲載先も分けます。
改善用のアンケートは改善に使う。販促用のインタビューは、未来のお客様へ見せる前提で聞く。この入口を決めるだけで、集まる言葉はかなり変わります。
アンケートで受け取るなら、記入欄そのものを二つに分けてしまうのが確実です。改善点やご要望はこちら、ご感想はこちら。フォームの項目を分けておけば、お客様も迷いません。
「誰に見せる声か」を先に伝える
販促用のお客様の声をお願いするときは、最初にこう伝えます。
「改善のご要望は別に伺うので、この声は、いま商品を買おうか迷っている方に見ていただきます」
この一言は、何のための声なのかをお客様にも分かっていただくために置いています。念を押したいわけではありません。
そもそも、お客様の声に協力してくださる方は、こちらを応援してくださっている人がほとんどです。力になりたいと思ってくださっている。だから、先に用途を伝えておくことに意味があります。
「感想をください」とだけ言うと、お客様は販売者へ向けて答えます。
良かったです。ありがとうございました。勉強になりました。
どれも嬉しい言葉です。でも、それだけでは未来のお客様が自分に置き換えにくい。
一方、迷っている人へ見せると分かれば、お客様は購入前の自分を思い出します。
何に悩んでいたのか。何が怖かったのか。どこで一歩を踏み出せたのか。使って何が変わったのか。
答える相手が販売者から「少し前の自分と同じ人」へ変わるので、言葉もお礼から体験談へ変わります。
お客様の声は、先に買ったお客様が、いま迷っている人へ判断材料を手渡す場所です。
時間がないときに「商品いかがでしたか」と一言だけ聞くこともあります。もらえないよりはずっといいので、それ自体は構いません。ただ、この聞き方は良い点も気になる点も一緒に返ってくるので、実は扱いにくい質問です。準備して集めるなら、聞くことを決めておきます。
| 1 | 使ってみてどうでしたか。何が変わりましたか |
| 2 | 購入前は、どんなことに悩んでいましたか |
| 3 | 購入の決め手は何でしたか |
| 4 | どんな人におすすめできますか |
| 5 | いま迷っている人へ、アドバイスをお願いします |

迷う人への手紙になる5つの質問
販促用の声では、次の5つを順番に聞きます。
1. 使ってみてどうでしたか。何が変わりましたか
率直な感想と、使う前からの変化を聞きます。
まずは自由に話していただく入口です。使ってみてどうでしたか。どのように変われましたか。感想と変化をひとまとめにして、最初に置きます。
2. 購入前は、どんなことに悩んでいましたか
ここで聞いているのは、買う前の話です。厳密に言えば、商品の感想ではありません。それでも、この質問がいちばん効きます。
こういう悩みを持っていた人が、買って、いまこう思えている。この感情の動きに、未来のお客様は自分を重ねます。
順番を入れ替えて、悩みから先に聞くこともできます。ただ、お客様の声としては、商品の感想がまったく出てこないまま始まるので不自然になります。感想を聞いてから悩みを聞く方が、流れは自然です。
3. 購入の決め手は何でしたか
「なるほど、そんなことで悩まれていたんですね。ちなみに、購入の決め手は何だったんですか」と続けます。
知り合いが勧めていたから。商工会議所の専門家としても活動していると知って安心できたから。ずっとメールを読んでいて、いつか申し込みたいと思っていたから。実際に返ってくるのは、こういう答えです。
販売者が考える強みと、お客様が感じた決め手は一致しないことがあります。だから、答えを先回りせずに聞きます。
4. どんな人におすすめできますか
実際に使った人の言葉で、向いている人を語ってもらいます。
これも、迷っている人へのメッセージになります。条件が重なる人は、これは自分のことだ、と受け取ります。
5. いま迷っている人へ、アドバイスをお願いします
最後に、未来のお客様への一言をもらいます。
いまこれを読んでいる方は、購入しようかどうか迷っている方だと思います。そんな方に、何かアドバイスはありますか。そう聞きます。
ここまで答えたお客様は、購入前の自分を思い出しています。その状態で聞くから、販売者には書けない自然な励ましが生まれます。
5つの質問の別パターンや、短い回答を具体的な言葉へ変える聞き方は、以前まとめた記事も参考にしてください。
5つの答えは、お客様が主人公のセールスレターになる
この順番は、販売ページの流れとよく似ています。
こんなお悩みはありませんか。そんな方は安心してください。この商品にはこういう特徴があります。実際に使った方は、このように喜んでくださっています。
販売ページで書く順番そのものを、お客様の口から話していただく形です。
購入前で迷っている人がこの声を読むと、この人は自分と同じだ、と気づきます。そう思った瞬間から、その人は食い入るように読みます。自分と同じ状況だった人が、買ってどうなったのか。そこに答えが書いてあるからです。
同じ場所で悩んでいた人が自分の言葉で語ったものには、販売者がどれだけ言葉を尽くしても届きません。
決め手の部分も、しっかり読まれます。この人はここに納得したのか、と確かめるためです。
答えを誘導すると、手紙ではなく台本になる
大事なのは、こちらは質問だけをして、あとはお客様に話していただくことです。
良い答えが欲しいと思うほど、聞き手は誘導しやすくなります。
「そういえば、サポートが良かったとおっしゃっていましたよね」
こう聞けば、販売ページに入れたい言葉は取れるかもしれません。でも、販売者が用意した文章の読み上げに近づき、お客様自身の体験が薄れます。やりたいことは分かるのですが、もったいない聞き方です。
もう一つ注意したいのが、インタビュー中に販売者が商品説明を始めてしまうことです。
開発の苦労、機能の特徴、ほかとの違い。話したいことはいくらでもあります。けれど、お客様の声を聞く時間に販売者が話し続けたら、主役が入れ替わります。お客様は戸惑ったまま、素晴らしかったです、としか言えなくなります。
商品の説明は販売ページの別の場所でできます。インタビューでは、お客様が話す時間を守ります。

30分なら、20分の会話と10分の収録に分ける
実践しやすいのは、30分の時間を取る方法です。
最初の20分ほどは普通に会話をします。5つの質問を一つずつ確認し、どの話を公開してよいかも確かめます。
最後の10分ほどを収録に使います。
最初から収録を始めて質問攻めにするより、先に話して頭の中を整理してもらった方が、お客様は安心して自分の言葉を出せます。
質問は事前に共有しておきます。記憶をたどり、伝えたいことを思い出す時間を渡すためです。
僕自身、10年以上使っているメール配信システムのインタビューを突然受けて、頭が真っ白になったことがあります。
感謝もしているし、使いやすいツールだと分かっているのに、その場で出てきたのは「アフターサポートが良いです」くらいでした。
終わってから、あれも言いたかった、これも話したかったと次々に思い出しました。でも、収録は終わっています。もう一度撮り直してください、とも言えません。
お客様も同じです。満足していても、その場ですぐに体験を整理して話せるとは限りません。
事前共有は、お客様が本当に伝えたかったことを取りこぼさないために行います。
公開する話と、改善だけに使う話を確認する
収録前の会話には、もう一つ役割があります。
どこまで公開してよいかを確認することです。
個別事情に合わせた特別対応や、ほかの人には同じ条件で提供できないサポートが含まれることがあります。良い体験でも、そのまま載せると、すべての購入者への約束に見えるかもしれません。
お客様の側も、実はそこを気にしています。これは特別に対応してもらったことだから、話すと迷惑をかけるのではないか。そう考えて口が重くなることがあります。
「ここは公開して大丈夫ですか」
「この部分は表に出さず、改善材料として受け取ります」
先に線引きを見せておけば、お客様は安心して話せますし、販売者も誤解を生む表現を避けられます。
実名や写真を使うかどうかも同じです。公開範囲を本人と確認し、お客様を宣伝材料として消費しない。その考え方は、実名や写真を公開しない理由をまとめた記事でも詳しく書いています。
映像は強い。でも、完璧を待ってゼロにしない
お客様の声は、文章でも音声でも映像でも受け取れます。
可能なら、映像は強いです。表情や声の温度まで伝わり、実際に話している姿が信頼につながります。対話の中で自然に出た言葉をそのまま残せるなら、さらに伝わりやすくなります。
文章や音声にも、それぞれ届きやすさがあります。
撮影日程が合わない。顔出しは難しい。きれいに撮る準備ができない。そこで止まり、お客様の声が一つもない状態が続く方がもったいないです。
文章でもいい。音声でもいい。短い一言でも、ゼロより前へ進みます。
完璧なインタビューを作ろうとして手が止まるより、まずは一人に目的を伝え、5つの質問を渡してみてください。
迷う人へ、一通の手紙を渡そう
今日、最近喜んでくださったお客様を一人思い出してみてください。
「いま購入を迷っている方へ見せるために、あなたの体験を聞かせてください」と伝えます。
感想・変化、購入前の悩み、購入の決め手、おすすめできる人、迷っている人へのアドバイスの5つを渡します。
商品の改善点は別の質問で受け取る。答えを誘導せず、本人の言葉を待つ。公開してよい範囲を確認する。
この順番を守れば、「良かったです」で終わっていたお客様の声が、未来のお客様の背中を無理に押さず、判断材料を手渡す一通の手紙になります。
仕事場を動かす前に、仕事の形を動かす。

飛騨の山のVan Officeで収録する無料動画 働く景色を変えて生きるための、手離れのよい仕事の作り方 ── 長嶺圭一郎 実践記 を、Substackへ無料登録いただいた方へお届けします。
AIで作業を速くするだけでは、売れるほど個別対応が増える働き方は変わりません。僕が実際に組み合わせてきたのは、AIによる効率化、リストマーケティングによる自動化、そして仕事が増えすぎない商品・支援の形です。
- AIに任せる仕事と、自分が判断を持つ仕事
- 新規集客を毎回ゼロから始めないリストマーケティング
- 個別対応に追われ続けない商品・支援の組み方
僕のやり方が、そのまま全員の正解になるとは思っていません。それでも、自分の仕事には無理だと決める前に、今の仕事の中から、まず一つの商品か一つの作業を選ぶところから始められます。

