こんにちは、AI×リストで自然体ビジネス設計士の長嶺圭一郎です。

僕が住宅営業をしていたころ、渾身の図面をお見せしたのに、お客さんの反応が「ほーん」で終わることがありました。こちらは、めちゃくちゃいいものができたと思っているんです。でも、いきなり完成図面をボーンと出すと、商談がすんってなっちゃう。

一方、ご要望を受けて何を考え、どの案を見送り、なぜ最終的にこの形にしたのか。そこまでお話ししてから図面を見せると、「しっかり考えてくださって、ありがとうございます」と受け取っていただける。よくあるプラン集のような図面でも、お客さんの熱量が全然違いました。びっくりするぐらい違います。

完成図面だけでは、こちらが何を考えたのかは見えていなかったんです。

完成品より先に、そこへ至るまでに考えたことを伝える。制作過程を発信する意味は、ここにあります。お客さんが完成品を見たくなる期待を育て、購入前に迷う選択肢にも、先に答えておけるからです。

商品の良さを伝えたいときも同じです。完成品の良さだけで分かってもらおうとして、その過程を飛ばしていないか、見直してほしいと思います。

お弁当が完成するまで、つい見てしまう

過程を先に見せる効き目は、商談の場に限った話ではありません。

お弁当を調理して、箱に詰めていく動画。二つ、三つに分かれたフライパンでおかずを同時に作って、少しずつ詰めていく。ついつい見入ってしまいませんか?

僕のところには最近、お庭を掃除する動画もやたらと流れてきます。もっさもさの木を剪定して、きれいにしていく。こちらも、ついつい見入っちゃうんですよね。

こういう過程を見せる動画は、途中で離れずに最後まで見てもらえる動画の例として、よく紹介されています。まだ何ができるか分からないから、その先が気になるんです。

ここで一つ押さえておいてほしいのは、手の込んだものを作るから過程が気になる、というわけではないことです。出来上がったのが卵焼きと梅干しご飯でも、途中は気になる。ドノーマルな完成品でもいいんです。

もちろん、先に完成品を見せることで「どうやって作ったの?」と興味を持ってもらえる作品もあります。

でも、最初から完成が見えてしまうと、何ができるのかな、という楽しみはなくなる。人は、謎が残っているものに見入ってしまうんです。

完成図面だけの提示と、ご要望・考えた案・没案から最終プランを伝えた提示の違い

プラン集の図面でも、喜んでもらえた理由

住宅の提案で反応が変わったのも、完成品の出来だけでは説明できません。

プラン集に載っている間取りは、多くの人に選ばれてきたものです。家事動線がきれいだから、そういう形でまとまっている。ご要望を伺っていくと、結果としてプラン集にあるような図面へ落ち着くことは、結構あります。

そのとき、営業する側は手を抜いたと思われたくないので、途中経過をしっかり話すんですよね。

こういうご要望をいただいた。そこで、こんな形を考えてみた。ただ、この案ではうまくいかない部分があったので見送った。そうして、最終的にこのプランになった。

そこまでお話しすると、お客さんには、よく見かけるプランが自分に合う理由まで伝わる。「確かにプラン集で見かけるけれど、私に合っていたのはこれだったんですね」と、喜んでいただけます。

これは僕自身、営業をしているうちに気づいたことです。いいものができたと思うほど、完成形から先に見せてしまう。逆に、よくある形へ落ち着いたときほど、そこへ至るまでを丁寧に話している。

こうなると、プラン集の図面を見せた方が反応がいい、という話に見えます。でもそれは、結論だけを捉えた話です。

差は、過程を話してから見せたかどうかでした。

こだわりのある商品なら、こだわりがあるほど、その過程を伝えた方がいい。完成品だけを見て分かってもらおうとせず、何を考えてその形を選んだかまでお話しするんです。

別の案と採用しなかった理由を先に伝え、お客さんが後で迷う選択肢を過程の中で通っておく

採用しなかった案も、先に伝えておく

過程を話すことには、もう一つ効き目があります。お客さんが「これにします」と決めやすくなる、つまり商品の決定力が上がることです。これも住宅営業で感じていたことでした。

住宅のプランをご提案すると、お客さんは「ほかのパターンもあるんじゃないかな」と考えます。この形もいいけれど、自分には別の選択肢もあるのではないか。特に高額な買い物ほど、本当に自分に適しているか、冷静に考えるわけです。

そのとき、別の案も検討したことや、採用しなかった理由をすでにお話ししてあれば、「その方向も考えて、問題があったから見送ったんだった」と思い出していただける。言い方を変えれば、過程を話しておくのは、お客さんが購入前に迷う選択肢を、先に潰しておくことでもあるんです。

たとえば、お客さんが「トイレの位置は、こっちの方がいいんじゃないかな」と一瞬思ったとします。そこで、その配置も最初に考えたけれど家相の面で見送った、と先にお話ししてあったとしましょう。すると、「そうか、それはダメだと聞いていた。私たちが考えることまで、先回りして考えてくれている」と受け取っていただけます。

ところが、その過程が見えていなければ、お客さんは疑問を抱えたまま、そのまま離れてしまうことも多いんです。だから、そもそも疑問を感じさせない方がいい。過程を先に見せておくのは、そのためでもあります。

質問していただけたとしても、「こういう案はどうですか?」に対して、「それはやめた方がいいです」と答える流れになりやすい。

こちらは、もう検討して、うまくいかないと分かっているから言っているんです。でも、お客さんから見れば、自分の考えを否定されたように映ることがある。

「この人は自分の意見を通したいから、私たちの案を止めているのかな」。そう受け取られたら、信頼も期待も下がってしまいます。結局、その方は離れていくんですよね。

だから、きれいに完成する様子だけでなく、迷ったこと、試したこと、見送った案も伝える。お客さんがあとで迷うかもしれない選択肢を、過程の中で通っておく。 住宅営業で、僕はそこにかなり助けられました。

ゼロリスを買い切りにしなかった経緯

見送った案まで話す、というのは、僕自身の商品でもよくお話ししていることです。

僕が運営している、リストマーケティングを学ぶコミュニティのゼロリスも、もともとは買い切り商品のつもりで作っていました。

そこからコミュニティへ変わったのは、リストマーケティングは続けることが重要だからです。

始め方を知っても、ほとんどの人が続けられないんです。僕自身、購入者としてリストマーケティングの商品をいろいろ買ってきて感じてきたことですが、ほとんどの人が理屈を知っただけで終わってしまう。情報発信は、続けるのが一番大変なんですよね。リストマーケティングも同じです。

それなら、僕から定期的に情報をお届けできる形の方がいい。月額で学ぶことで、お金をかけて学んでいるのだから、ちゃんとやろうという意識も持ってもらえるのではないか。そう考えて、コミュニティという形にしました。

この経緯をお話ししていると、買い切りの方がいいのでは、という話は出てこなくなります。買い切りも考えたうえで、続けるために今の形を選んだことまで、お伝えできるからです。

出来上がっている商品も、過去の過程を発信できる

商品が出来上がるまでの過程は、今まさに作っている途中なら見せやすいですよね。イチジクを育てて発信されているヒカリさんという方は、出来上がったイチジクだけでなく、草むしりをしているところから、育っていくまでをずっと投稿されていて、過程の見せ方がすごく上手です。

では、すでに完成している商品はどうするのか。

過去に遡って、その商品が生まれるまでを出してください。

僕も、コミュニティの作り方をまとめた教材「コミュニティの教科書」を再販するにあたって、自分のコミュニティであるゼロリスがどうして生まれたのか、なぜコミュニティを作ったのかという話をお届けしようと考えています。商品はもう出来上がっているので、意識しなければ「再販します」で終わってしまうんです。

発信が上手な方は、昔の話もよくされています。僕も、前に聞いた話なのに気になって見てしまいます。全部覚えているわけではないから、「そうだった、そうだった」と思い出しながら見てしまう。初めての方はもちろん、一度聞いた方にも届くんです。

商品の成長過程や、失敗したところ、苦悩したところ。きれいに出来上がったものの裏に、実際にあった過程も見せてほしいと思います。

販売ページを出すまでのメルマガで、過程を届ける

過程を見せることは、商品を売る場面では期待値の話になります。人は期待値で物を買う、と僕は考えています。そして期待値は、先に完成品を見せてしまうと、そこから上げられなくなるんです。

商品の販売で言う完成品とは、商品内容と価格を載せた販売ページのことです。販売ページを出したら、「結局こういう商品を、この価格で案内します」という答えが見えます。答えを見せたあとに、そこから期待をさらに上げるのは、よほど難しい。

だから僕は、メルマガを推しています。メルマガなら、登録してくださった方に、販売ページを出すまでの期間に、何を考え、どう生まれてきたのかを順にお届けできるからです。

お客さんは過程を楽しみにしながら待っていて、「こうして生まれたものって、結局どんなものなんだろう」と、販売ページの公開を楽しみにしてくれる。完成品を出す前に、そういう時間を作れるんです。

販売前に関心を持っていただく話は、セールス予告の作り方でも扱っています。商品の説明を始める前に、どこで期待を育てるかを考えたい方は、合わせて読んでみてください。

セールス予告の作り方|売る前に期待感を作る方法

告知しても反応が薄いなら、販売文より前の予告設計を見直しましょう。売る前に期待感を作る方法を解説します。

メルマガに限らず、過程を届けるのが難しくなった理由がもう一つあります。AIです。AIに仕事を頼むと、完成品が一気に出てくることも増えました。その分、途中を飛ばしてしまいやすい。過程をお客さんへ見せたいから、その段取りも考えてほしいとAIに頼むなど、見せ方を意識しておきたいところです。

しかも今は、AIで作ったものがあふれている分、目の前の情報を信頼できるかどうかを見るときに、過程が今まで以上に重んじられるようになっています。過程がはしょられたものは、AIで作ったのかな、と受け取られてしまう。

完成品は、過程があってこその完成品です。僕は、ついでに過程も見せた方がいい、くらいの話ではないと思っています。過程を見せなさい、と言いたい。

僕が渾身の図面を出して「ほーん」で終わったように、完成品だけを見せていないか。次に商品を案内するときは、その前に、どの案を試して、なぜ今の形を選んだかまで伝えているかを、確かめてみてください。


コンテンツ制作について
この記事は、長嶺圭一郎自身の対話・取材・実体験・調査をもとに制作しています。AIは構成や表現の補助に活用し、最終判断と責任は長嶺圭一郎が担います。

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