こんにちは、AI×リストで自然体ビジネス設計士の長嶺圭一郎です。
以前、僕の講座で、合計2時間まで個別相談できる特典をつけたことがあります。ところが、思っていたよりずっと使われなかったんですよ。興味がなかったのかな、使いにくかったのかなと、最初は不安になりました。
お客様に聞いてみると、必要なタイミングで相談できる選択肢があることが、ずっと安心感になっていたと言っていただけました。
顧客満足度を高める商品設計で効いてくるのは、どれだけ提供するかよりも、お客様が使う量やタイミングを自分で選べる余地です。
その価値には、サウナや、アニメに出てきた食べ放題の場面でも気づかされました。ただ、自由に使える相談枠には、やってみて初めて分かった運営上の問題もあったんです。

無限熱波で選べるのは、自分が出るタイミング
僕の好きなサウナに、「無限熱波」というサービスがあります。熱波師さんがあおいで熱い風を送ってくれるのですが、その回数が無制限なんです。
とはいえ、無限に受け続ける人はまずいません。僕も何度か受けていますが、普段の熱波が大体2回のところ、せいぜいプラス1回くらいです。みんな限界を迎えて出ていきますし、1回で早々に出る人もいます。無限と謳っていても無限にそこにいられる人はいないので、長居する人に向けたサービスというわけでもないんです。
普段の熱波は、僕が行くところだと「2回」と決まっています。そう言われると、2回は耐え切らないといけない気持ちになるんですよね。途中で出ると迷惑をかけているような気がする。実際には全然そんなことはないのに。これ、僕だけじゃないと思うんです。
無限熱波なら、回数の区切りがないので、途中で出ても「耐え切れなかった」ことになりません。何回受けるかも、いつ終えるかも、自分で決められます。無限熱波が売っているのは、長くいられることではなく、どこまで受けるかを自分で決められる主導権なんだと思いました。
食べ放題は、少なく食べたい人にも自由を渡せる
僕は大食いなので、食べ放題はたくさん食べたい人が行く場所だと考えがちでした。
その見方が変わったきっかけは、アニメ『推しの子』です。主人公のアクアとヒロインの有馬かなが街でデートをして、夕飯に食べ放題のブラジリアンバーベキューへ向かう場面がありました。
有馬かなは、そんなに食べる量が多くないキャラクターです。その彼女が、そのお店のことを「私の食べる量を厭わない食べ放題ブラジリアンバーベキュー」と言うんです。このセリフを聞いて、少ししか食べない人も気兼ねなく行ける場所、という考え方もあるのかと思いました。
食べる量が多くない人は、みんなに同じ量が出るお店だと食べ切れずに残してしまいます。そのことが気になる人なら、自分で食べる量を調整できるのはうれしいですよね。たくさん食べたい人だけでなく、そこに価値を感じている人もいるんだと、そのとき気づきました。
僕にとっての「たくさん食べられる」と、その人にとっての「自分に合う量を選べる」は違う。ここでもお客様に渡しているのは、主導権なんです。
相談枠を使わなくても、安心してもらえた
サウナや食べ放題だと、自分の商売には関係なさそうだと感じる方もいると思います。冒頭の相談特典は、以前のテコリスという僕の講座で行ったものです。初日限定特典として、サポート期間内に僕と合計2時間まで個別通話できる権利をお渡ししました。現在のテコリスでは、この特典は行っていません。
合計時間に上限がある点は無限熱波と違いますが、使うかどうか、いつ使うかをお客様が決められる点は同じです。相談するタイミングはお客様の自由で、困ったときに申請してもらえればいい。そう案内していました。
ところが、利用はびっくりするほど少なかった。お客様に聞いてみると、皆さん口を揃えて、いつでも相談できる選択肢が常にあったのが安心だった、と言ってくださったんです。
もちろん、使ってもらえれば満足度が高くなるのは当然です。でも、使わなかった方も、結果的に満足度が高かった。
相談できる権利があること自体が、安心感になっていた。使われなかった相談枠にも、価値があったんです。
僕が運営するゼロリスという会員サービスでも、似た経験があります。質問を無制限にできる質問板があるのですが、対話型のグループコンサル「Go!Go!グルコン」を始めてから、質問板はめっきり動かなくなりました。
それでも、投稿していない会員さんからも、いつでもここで聞けば大丈夫だと思えるから安心していられる、と言っていただくことがあります。
提供する側からすると、使ってもらえていないと戸惑います。でも、お客様側に主導権がある、自由に選んでいいという権利自体が価値になっていて、使わなくてもプラスに転じている。お客様も忙しいですし、いつでも使えるという状態が安心感につながるんです。
自由な相談枠には、終盤に集中する問題があった
ただ、この自由な相談枠には、運営上の課題もありました。当時のテコリスは、たしか4か月間のサポートでした。その最後の1か月に、ほとんどの相談が集中したんです。
相談されたのは一部の方だったので対応できましたが、全員が最後の1か月に来ていたら、間違いなく僕はパンクしていました。これが一つ目の問題です。
もう一つ、最後に集中すると困ることがあります。最後に相談されると、その結果を見てもう一度サポートする時間が残らないんです。
僕は合計2時間を、30分ずつ4回や、1時間ずつ2回に分けて使ってもらうつもりでした。一度相談して、実践して、その結果をもとにもう一度相談する。そういうサポートをしたかったから、一度に2時間ではなく「自由に2時間」という、少し回りくどい形にしていたんです。全部が想定どおりにうまくいったわけではありませんでした。
次にやるなら、前半に1時間、後半に1時間と分ける形を考えています。この分け方はまだ試していませんが、相談枠を実際に運営して考えた改善案です。自由に使ってもらう形は残しつつ、こう分けないとうまく回らないんだろうなと思っています。最後に集中することは、やってみて初めて分かりました。

商品設計は、小さく試して負担と反応を見る
お客様に主導権を渡す仕組みは、まず期間を限るなどして、小さく試してみるのがいいと思っています。提供者にとって正直、怖い面もあるからです。食べ放題なら、ものすごくたくさん食べる方が来たらどうしよう。僕も、全員が2時間ずつ相談したら大丈夫かな、とドキドキしました。実際には、相談に来た方は半分もいなかったと思います。
お客様に判断を委ねる仕組みという意味では、返金保証も同じです。返金するかどうかの判断をお客様に委ねるので、返金が増えるのではないか、悪質な使い方をされないかと心配になりますよね。
僕が過去に数値を見てきた経験では、返金保証をつけると返金は確実に増えます。ただ、商品の質がよほど悪くない限り、それ以上に受注が増えました。差し引きで見れば、プラスです。
とはいえ、背負う負担が大きすぎて採算が取れない形では、破綻します。だから、まず小さく試す。やってみないと分からないことがあるからです。データを取ってみて、続けるか、ルールを変えるか、やめるかを考える。僕の相談枠で分かった終盤への集中も、実施する前の想定だけではつかめなかったことでした。
自分なら使い切る。その感覚をいったん外して考える
僕は、2時間の相談枠があったら使い切りたいと思うタイプです。でも、お客様の中には、その権利があるだけで安心できる人もいました。どうしても物事を自分基準で考えてしまいますが、主導権を渡すとなると、お客様基準になって、お客様の数だけ要望が変わります。
それでも、主導権をお客様が持っているビジネスは、思っている以上に満足度が高いんです。満足度が高いと、リピートや口コミにつながって、事業全体が強くなります。お客様のニーズは細分化が進んでいて、自分に合ったサービスを探している方が多い。お客様に主導権を渡すサービスは、これからの時代に合う、大きな武器になると僕は思っています。
業種によって渡せる自由は変わるので、今ある自分の商売なら何ができるかは、AIと対話しながら考えてみるのもいいと思います。「お客様に主導権を委ねる、自由度の高いサービス」というキーワードで、自分のサービスにそういうアイデアはないか、AIに聞いてみる。出てきた案のうち、負担が大きすぎるものは調整していけばいいんです。
そのときは、「自分なら全部使う」という前提をいったん外して、自分のサービスで小さく試せる案から始めてみてください。
自由を渡す商品設計。量の多さではなく、主導権を売る。使われなかった2時間の相談枠が、僕にそれを教えてくれました。
コンテンツ制作について この記事は、長嶺圭一郎自身の対話・取材・実体験・調査をもとに制作しています。AIは構成や表現の補助に活用し、最終判断と責任は長嶺圭一郎が担います。
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