こんにちは、AI×リストで自然体ビジネス設計士の長嶺圭一郎です。
AIで作ったセミナー資料を見ながら話していて、「これ、何の説明だろう」と一瞬止まりそうになったことが、僕にもあります。資料はきれいにできている。作る時間も短くなった。なのに、自分には使わない言葉が入っていたり、頼んだ覚えのないメッセージが混じっていたりするんです。
僕はセミナー資料を作るとき、必ずAIを使っています。ただ、AIだけに任せず、自分でも必ず手を加えています。昔の自分の資料を見返すと、当時はすごいと思っていたものも、今では「ずいぶんスカスカだな」と感じます。質も速さも上がりました。その一方で、自分以外の考えが資料に入るから、その資料を自分の言葉で話せるかを本番前に確かめています。

AIで作った資料を、なぜ本番前に話してみるのか
僕が住宅営業をしていた頃、忙しいと上司が資料作りを手伝ってくれました。上司の仕事は速いし、プレゼン資料も上手い。ありがたく受け取ってお客様の前に出すのですが、ときどき説明が一瞬詰まるんです。「これは一体、何の資料だ?」と。
上司の資料はよくできていました。ただ、どこで話を盛り上げ、どんな言葉でつなぐかが、僕の頭の中の流れと少し違ったんですよね。個人で仕事をしてきた人は、資料を一人で作り、その言葉も構成も頭に入っていたと思います。そこへAIやほかの人が加われば、自分なら使わない表現や、違うタイミングで展開する話が入ってくる。今のAIとの資料作りでも、同じことが起きます。
人の運転する車に乗ると、危険な運転をしていなくても、ブレーキを踏むタイミングが自分と違って怖くなることがあります。助手席では座る位置も違うので、いつもと感覚がずれる。僕は、人やAIと作った資料にも同じ感覚のずれを感じます。これはAIの性能の良し悪しの話ではありません。 AIがもっと高性能になっても、話し手と資料の感覚のずれは必ず現れます。
本番が始まって、お客様がこちらを見ているときに初めてずれに気づくと、考える余裕がなくなります。多くの人はそこで頭が真っ白になり、話す順番まで分からなくなると思います。僕は住宅営業時代から何度もそうした場面を経験してきたので、ある程度は乗り越えられます。だから、お客様に見せる前に、自分だけの「1回目」をやっておくんです。
資料を読むだけで終えず、説明を一度通す
資料ができたら、最初から最後まで話す流れを必ず一度シミュレーションしてください。声に出せるなら、それが一番。声を出せない場所でも、頭の中で「ここではこう説明する」と言葉をたどります。ただスライドを眺めて理解した気になるのと、説明するつもりで通すのは違います。
通してみると、自分には使いにくい言葉、説明しきれない箇所、話の流れが不自然な場所が見つかります。最初から一発本番にするより、そこで直しておいた方が話しやすい。セミナーに慣れていないと感じるときほど、ここに時間を取ってほしいです。
僕が住宅営業をしていた頃は、上司がお客様役になって、僕が説明を通すロープレ(役割を決めた練習)をしてくれました。車でお客様の家へ向かうときにも、上司から「音楽をかけず、着くまで話す内容を口ずさめ」と言われていたんです。今でも車内であまり音声を流さないのは、その習慣が残っているから。先に一度話しておけば、「次はこの話だ」と分かった状態で本番に入れます。
リスナーさんからは、AIで資料作りが速くなった一方、練習しても「他人が作った紙芝居をぶっつけ本番で披露してる感覚」だった、という声も届きました。以前は資料を作る時間が、頭の中に話す内容を入れる時間にもなっていたそうです。僕もすごく分かります。AIで楽をしていい。ただ、怠けどころを間違えると失敗します。
以前、商工会議所の初心者向けセミナーで、AIがいきなり自動化の仕組みまで詰め込んだ難しい資料を作ったことがあります。僕はAIへ「初心者向けじゃないだろう、これ」と伝えました。まずアカウントの作り方から必要な参加者もいるかもしれない、とAIに説明して直してもらいました。資料を作るのが速くなっても、参加者に合う内容かどうかは、自分で話して確かめています。
初心者向けの内容をどこまで絞るかは、参加者が一歩動けるセミナーの作り方でも詳しく書いています。

リハーサルを録音し、詰まった場所をAIへ返す
僕がさらに勧めたいのは、スマホのボイスメモなどでリハーサルを録音することです。途中で「あれ、ここは何の話をするつもりだったかな」と止まっても、そのまま声に残していい。誰にも見せない練習ですから、本番では言えない疑問も口にできます。
録音した音声をAIに渡すと、どこで詰まり、どの表現に違和感があったかを材料に、資料の構成や言葉を直してもらえます。僕は、直した資料も自分で話して確かめることが大事だと思っています。
僕は本番のセミナー音声も録って、後からAIに問題点や改善点を尋ねています。商談や打ち合わせで狙ったゴールに届かなかったときも、音声を渡して一緒に分析する。僕が長く話しすぎたところや、お客様の反応を受け取る間がなかったところを指摘されることがあります。
録音から分かった引っかかりをAIへ伝え続けると、次に作る資料も僕の話したい流れに近づいてきます。
本番に持ち込むのは、自分で一度話した資料
僕自身、1日に2回セミナーを控えた日がありました。2年ぐらい前には考えられなかったことです。AIが入ったから、その準備ができるようになりました。ただ、自分以外の頭脳が作った部分には、僕の話し方とのずれが必ずあります。資料を作り終えたあとも本番前に一度通し、話しにくいところを微調整します。
セミナーだけでなく、動画の収録や商談にも、この「誰にも見せない1回目」は使えます。AIが書いたブログなどの文章も、自分の表現とずれていないか確かめたいところです。今作っている資料があれば、まず一度、自分の言葉で最後まで説明してみてください。止まった箇所は、そのまま次に直す場所です。
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